料理の味付けの基本でもある醤油は、どこの家庭でも必ず常備してある調味料。
醤油といっても実は色々な種類があり、薄口・濃口のほか白醤油やたまり醤油・再仕込み醤油など大きく5つに分けられます。
このページではその中でもよく使われる薄口醤油と濃口にスポットを当てて、2つの違いや代用する方法などについてご紹介します。
薄口醤油と濃口の違いは?
醤油のことに関して詳しくなかったとしても関西では薄口醤油(淡口醤油とも呼ばれます)が主流で、関東では濃口が使われることが多いのはよく知られていますよね。
この2つの醤油の違いをざっくり言うと色と塩分濃度の2つ。
色が薄くて塩分濃度が高いのが薄口醤油で、色が濃くて塩分濃度が低いのが濃口醤油です。
では2つの違いについてより詳しく見ていきましょう。
■色
薄口と濃口では醤油の色に差がありますが、これは製造方法に秘密があります。
薄口醤油は製造の際に高濃度の塩水で仕込みを行ったり火入れ温度を工夫し、発酵や熟成を抑えるほか寝かせる時間も短くして色が薄く仕上がるようにしています。
醸造の仕上げには甘酒や水飴などを加えるのも特徴です。
それに対し濃口醤油は仕込みを行った後じっくりと発酵熟成させるため、醤油独特の色や香りが生まれます。
熟成期間が長いほど醤油の色も濃くなります。
■味
薄口醤油はあっさりした味わいなのに対し、濃口醤油はまろやかな深みのある味わいで香りも強いです。
これを活かすためには、それぞれに向く使い方もあります。
薄口醤油は素材の味を活かしたい料理や、あっさりとさせたいものに向いています。
例えば野菜の煮浸しやすまし汁・うどんつゆ・茶碗蒸しなどに使えば、素材の色を変えずに仕上げることができますね。
濃口醤油はどんな料理にも合わせやすい万能選手ですが、特にコクを出したいものに使いましょう。
例えばすき焼きや肉じゃが・そばつゆなどです。
料理の見た目も味のうちですから、素材に合わせぴったりのお醤油を使い分けるとワンランク上のおかず作りができます。
薄口醤油と濃口の違い 塩分はどれくらい?
薄口醤油のほうが濃口よりも塩分が濃いのは知られていますが、どれくらい違うのでしょうか?
一般的に薄口醤油は18%なのに対し濃口は16%ですので、2%の差があります。
たったの2%ですが料理に使うとその違いは思っている以上に大きく、味付けの際に差が出てきます。
薄口醤油を濃口で代用するには?
料理本やレシピサイトなどを見ると、材料の欄に載っているのは「醤油」の文字。
これって薄口濃口どっちの醤油のこと?と疑問に思ったりしませんか?
「醤油」と書いてある場合は、基本的に濃口醤油のことです。
濃口醤油は国内生産量の8割とされていますので、圧倒的に使用率が高いのは濃口です。
なのでどちらかというと、濃口醤油はあるけど薄口がないという家庭が多いということになります。
料理一品のために薄口醤油を買うのもイヤだし、これって代用出来ないの?何て思いますよね。
全く同じというわけにはいきませんが、薄口醤油は濃口で代用出来ます。
ただしそのまま分量を置き換えただけでは醤油色が濃くなってしまいますし、味の面では塩分が少なくなってしまいますので調整が必要です。
濃口醤油を薄口のかわりにするなら、書かれている分量の半分を濃口醤油にし残りの半分を塩を使ってみましょう。
そのためには醤油にはどれくらいの塩分が含まれているかを知っておかないと、置き換えできません。
醤油大さじ1で約3グラムの塩が含まれています。
例えば大さじ2の薄口醤油を加える場合。
大さじ1の濃口醤油に3グラムの塩を加えれば(小さじ半分)、大さじ2の薄口醤油とほぼ同じものができるということになります(数字上ではですが)。
薄口と濃口醤油の塩分濃度は2%の差がありますがここでは細かい計算は省いていますので、料理をする際にちょっと足りない場合はもう少し塩を補ってください。
こんな風に濃口醤油の使い方を調整すれば、わざわざ2本の醤油をそろえなくてもとりあえずは料理ができます。
ただ、薄口醤油独特の美味しさもありますので頻繁に料理をするなら両方の醤油を常備しておき、素材に合わせて使い分ければよりオイシイおかずができると思います。
ここでご紹介した方法はあくまでも「代用」ですので、機会があれば薄口醤油で本物の味わいを試してみてくださいね。
おわりに
料理上手な友人は薄口と濃口をそれぞれ常備しているので、使い方のポイントを聞いてみたころ・・・
・薄口は野菜や白身系のお魚などに。
・濃口は肉料理や青魚などクセのあるものに。
こんな感じでざっくりと使い分けているようです。
彼女の料理はホントに何を食べてもハズレがなく、仕上がりがとってもキレイ。
きっと素材に最適な醤油はどちらなのかを見極めながら、味付けをしているからなんですね~^^