春を感じる和菓子の代表的なものといえばやっぱり桜餅。
あの独特の香りと優しいピンクの色合いは、春のイメージにもぴったりです。
そんなすてきな桜餅ですが、気になるのはその葉っぱ。
剥がすのか?それともそのままパクっと食べるものなのか迷いますよね。
このページでは桜餅の葉っぱは食べるのかや、その葉っぱの種類や巻く理由についてご紹介します。
桜餅の葉っぱは食べる?
桜餅の葉っぱは、食べるのが正解なのかどーなのか?
自宅なら人の目もないので好きなように食べれば問題ありませんが、もしかして正解の食べ方があるなら外でマナー違反にならないよう知っておきたいものです。
答えから先に言ってしまうと「正解はありません」。
自分で美味しいと感じる食べ方をすればいいだけなので、人がどうしようと自分の好みでOKです。
葉っぱを食べたくもないのに通っぽくしたいがために、ムリして葉っぱごと・・・なんていうのも違う気もしますし。
また、桜の葉っぱを食べようかどうしようか迷う・・・という人の中にはその毒性を心配している方もいるようです。
初めて聞いた!という人なら、桜の葉っぱに毒性があるの!?とびっくりしてしまうかもしれませんね。
桜の葉っぱを塩漬けすると「クマリン」という成分が作られるのですが、実はこれが桜の葉っぱ独特のあの香りの元になっているものなんです。
クマリンは長期間にわたって過剰摂取した場合は、肝機能を弱めるとされていますので「毒性がある」と言われる原因となっています。
桜餅を毎日腹一杯に食べる事はまずないと思いますので、桜の葉っぱの香りを楽しみながら1枚食べる程度なら気にしなくて大丈夫です。
桜の葉っぱの塩漬けは塩分がありますので、食べるかどうかを決める際はおいしさと健康の両面から決めるようにしてくださいね。
桜餅の葉っぱを巻く意味は?
はがして食べるかもしれないのに、葉っぱをわざわざ巻くのはどうしてなのか?
最初から桜餅に葉っぱがくっついてないなら食べ方を悩む心配もないし、剥がす手間も省けるのに~なんて思ってしまいますが・・・
その理由を見てみましょう。
■香り
桜餅の美味しさの秘密はあの独特の香り。
アレは人工的な香料を使っているのではなく、桜の葉っぱから香るものなんです。
生の桜の葉っぱには香りはないのですが、塩漬けすることであの個性的な香りが生まれるんです。
桜餅に使われている葉っぱは、伊豆半島で栽培されている「オオシマザクラ」という種類が使われていることが多いです。
なぜこの葉っぱがいいのかというと、大きくて柔らかい・葉っぱの表面に毛がなく食べやすい・香りが良いなどの理由から使われています。
桜餅本体には特に香りはありませんので、葉っぱを巻くことで桜餅そのものの味とともに春の香りを楽しめるというわけです。
オオシマザクラでなく、その辺で咲いている桜の木の葉っぱを使ったらどうなるのか?
市販されている桜の葉っぱの塩漬けと比べると香りも葉っぱの厚みなども違いますので、オオシマザクラを使った塩漬けと同じものはできません。
「それっぽくて近いもの」でもいいなら、個人で塩漬けを作り楽しむには十分かもしれません。
近所の桜の木の葉っぱを使う時は、薬剤などをまいていなかったかなどは必ず確認してくださいね。
桜餅に巻くだけであったとしても、口に入るものなので安全なものを使うようにしましょう。
■乾燥を防ぐ
塩漬けにされた葉っぱを巻くことで、桜餅本体の乾燥を防ぐことができます。
関東の長命寺はくるりと巻いた生地がすごく乾燥しやすいですし・関西の道明寺のお餅部分も乾くとガワガワになってしまいます。
葉っぱを巻いて少しでもその面積を少なくして桜餅の美味しさを保つためにも、やはり葉っぱは必要です。
■引き立て役
甘みにほんの少しの塩味をプラスするとグッと味が引き立ちます。
例えばあんこを炊くときにもほんの少し塩を入れたりしますし、よくある例で言うとスイカに塩みたいなものでしょうか。
桜餅本体の甘さに葉っぱの塩漬けの塩分がくっつき、うま味もアップしてくれる引き立て役となってくれます。
おわりに
桜の葉っぱを剥がそうか、それともガマンして食べるか・・・
2年ほど前だったか和菓子屋さんに入って、みんなで桜餅とお茶のセットを注文したことがあったんです。
目の前に注文の品が運ばれてきたというのに、そこに居るみんなはどこか目がそわそわと動きなかなか食べない様子。
そうなんです。
葉っぱどうしよう・・・と迷っているから、他の人がどうするかをそれとなく観察してすぐに食べないんです(笑)
それに気がついた一人が「ワタシ葉っぱ取るね~」といって剥がしたら、「あ、いいんだ。わたしも~」と言って次々と葉っぱをはがしてました。
考えていることは同じなんですよね。
せっかく注文したお菓子ですから、自分が美味しいと思えるカタチで食べれば何の問題もなし。
もちろんワタシも真っ先に剥がしました^^